就任のご挨拶

北嵯峨高校は平成十六年度に創立三十周年を迎えました。私が蜂ヶ岡中学から嵯峨野高校に進学した年が北嵯峨創立二年目でした。高校入学からほんとうに早いもので三十数年も経ちます。自分ではまだまだ子供だと思っておりますが社会はそうは見てくれない大人になってしまいました。長男は北嵯峨を卒業し今大学三年生、次男は今年嵯峨野を卒業して大学一年生、三男が今2年生で北嵯峨にお世話になっております、また長女が太秦中学校三年に在学中です。最近の悩みは大学の学費が高いことです、北嵯峨並みの学費なら助かるのですが。

創立当時から北嵯峨は文武両道を掲げられ京都府立高校としてはまだ珍しい制服導入など厳しい学校と言うイメージがありました。一方私が通っていた嵯峨野高校は私服で自由な校風でした。勉強をしなさいと言われた覚えはないです

「勉強しなかったら困るのはあなたですよ・・ご自由に」みたいな感じでした。

私は自由に高校三年間を過ごしました、北嵯峨に通っている同級生がかわいそうに思えるぐらいに・・。今でも嵯峨野の三年間は一番楽しかったと思えますが反面、自由が先走りしていたように思えます。教育の場でも規律と自由の自由だけがひとり歩きしているように思えてなりません。先日学校での会議の帰り校舎を歩いていると二十メートルぐらい離れているのに帽子をとってふかぶかと頭を下げ「こんにちは!」と大きな声で挨拶されました。それも次々に何人にも、私もこんにちはと少し照れながら挨拶を返すわけですが、なんとも言えない清々しさを感じました。あんな挨拶は初めてだったもので・・。野球部の顧問の先生のご指導だと思うのですが「あいさつ」一つで人を気持ちよくさせる事が出来るんだとあらためて指導による力を感じました。今の教育に足りない何かを、もしかしたらやり過ぎとも思える挨拶のなかで見つけたような気がします。

教育改革が始まって数年がたち親も子供たちもなじんではきました、私たち親も地域で評判の良い北嵯峨高校なら安心して子供を預けられると思います。しかしながら子供たちを取り巻く状況は年々厳しく、子供たちを巻き込む事件も多々あります。私の中では高校生にもなってPTAって何をするのと言う思いもありましたが今は高校生だからPTAが必要なんだと言う気持ちに変わってきております、学校にまかせっきりではなく私たち親がまず何をしてやれるのか、何を子供が必要としているのか皆様と一緒に考えて行きたいと思います。.

皆様これからの一年間どうぞよろしくお願い申し上げます。

私はあの日以来大きな声で「おはよう!」と声をかけています。      

    平成十八年度 北嵯峨高校PTA会長

                 山口 博史